ご報告
2023年度 経団連自然保護基金 プロジェクト
UNIMAS大学と共同での動植物の生態調査をもとに
「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」
Develop Eco-Tourism at Sabal area and its surrounding
through ecological survey of flora & fauna with UNIMAS and the native.
サバル近辺の森林の植物調査第2回 (2023年10月28月~11月2日)
植物調査の第1回は、本格的な乾季の始まる6月後半に行いましたが、第2回は、乾季から雨期への移行の時期に行いました。
ただ、今年の乾季は、例年よりも定期的に雨が降り、雨が数日降らないというような、乾季らしい乾季でもなく、時折、豪雨などもあったものの、乾季後半に差し掛かる9月頃は、ヘイズ(煙害)なども、クチン市内から、サバル地域、その先のスリアマン地区なども含め、起こったものの、定期的な雨が、それを洗い流してくれるものの、すぐに、ヘイズの状態に戻るというのを繰り返し、もし、この乾季中の珍しい定期的な雨が無く、乾燥がより強い年でしたら、このヘイズも重症化したに違いありません。
丁度、この乾季が終わる9月中旬頃には、例年より早い果物のシーズンが来て(通常は、10月後半~11月)、市場や、幹線道路沿いに、ドリアンや、ランブータン、ジャックフルーツ(チャンパダ-コパラミツ)、タラップ等々が、例年より多く並び、その香りに町中が溢れる、実り多い年になったように思えました。
今回は、基点とする村から、幅広い年齢層でも歩いていく事が可能な森林で、一番遠いと思われる調査プロットを設け、そこで、キャンプをしながらの調査を行いました。
翌朝から、まずは、主に、林冠部を中心に調査を進めます。樹木の一つづつを備に観察していくと、いろんな発見があります。この最奥部近くまで来ると、農耕地もほとんどなく、いわゆる原生林により近くなります。熱帯樹木の果実や花を多く見る事が出来ます。
ヤドリギの赤い花もありました。今年は、栽培種の果樹も、ドリアンを始め、ランブータン、マンゴ、マンゴスチン、ジャックフルーツなど、9月後半から10月にかけて、街中の市場や道路端で、山積みとなって、販売されたいたので、その収穫の多さを物語っていましたが、この森の中の、人々が食べる事が出来ない樹木の果実も含め、豊作であることが明白な感じでした。
いわゆる、ケランガス(イバン族の言葉で、お米も育たない不毛な土地-植物学的には、ヒース林)の灌木の並木道も神秘的ですが、その翌日は、主に、林床部の植物の調査を行いました。
ランの花も、林冠にもありますが、林床部にも観察できます。ショウガの花など、意外と珍しい植物もあります。乾いた感じの森林には、食虫植物のウツボカズラがありそうな雰囲気でしたが、この写真の近辺には、ウツボカズラは見当たりませんでした。
時折、谷になっている箇所は、川となっている場所も時折あり、村人が倒れた木を使い、橋代わりにしていますが、村人にとっては、橋となりうるのでしょうが、都市部に暮らす学生たちにとっては、ツルツル滑り、歩き辛いので、安全策を取って、汚れても、嵌っても、地面を歩いた方が無難です。時折、大きな巨木(フタバガキ科の樹木)の板根も目にすることが出来ますので、このような村々の残している森林を、少し奥に進めば、開墾や農地にならずに、残っている森も沢山あるのでは、と期待できます。
3日目を終わって、キャンプ地で、一息ついています。ただ、中には、疲労感溢れる学生もいました。
4日目と5日目は、川や、水周りの植物の調査をしながら、ツーリズムの場所として推奨できる場所も並行して探しながら調査を進めました。
クリンカン山脈から流れる、川も無尽蔵にありますので、それぞれを、川から川へ森を移動して、川に沿って、植物を調査をしながら、良い景観のある場所も探していきましたので、3つの川を調査するのに、丸2日掛かってしまいました。
石ころの溜まって出来たと思われる岩の大きな穴は、自然が作り出した造形美だとは思いますが、ツーリズムの魅力としては、大きな位置をしめないかもしれませんが、絶景な川の景観や、このような小さな一つ一つが集まって、魅力あるデスティネーションにすることが出来ればと期待します。
ひっそりと、川の傍の植物たちも、水の傍で生きていますが、何の変哲もない植物が、実は、新種だったという事もありますので、侮れません。写真やGPSの情報を取って、サンプルを持ち帰り、同定して、記録を残していきます。
少し大きな菌類や、川の傍の低木も花を咲かせいました。
昼行性のカエルが岩肌にて休んでいました。カエルは、一般的には、ほとんどの種類が夜行性ですので、カエル観察ツアーの場合、夜にツアーを行う場合が多く、カエルの生態学者も夜に調査をする場合が多いので、意外と生態などが詳しく調査されていない昼行性のカエルは、盲点ですし、ツーリズムの素材になる可能性が意外と大きいかもしれません。
UNIMAS大学の調査チームからの報告は、そのチームからのレポートが完成次第、後日、抜粋してご報告いたします。
植物調査第3回は、雨期の真っただ中の、年が明けての1月を予定しています。
2023年 経団連自然環保護基金 「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」 植物調査第2回と聞込み調査
期間:2023年10月28日~11月2日
場所:SABAL村/NYALITAK村周辺の森林
責任者: Dr. Qammil Muzzammil
UNIMAS大学:
1. Mr. Mohamad Nafis 2 . Mr. Awang Ahmad Zahid 3. Ms. Khairunnisha 4. Ms. Nur Nabilah Huda 5. Ms. Umie Naylisa
6. Ms. Nur Khaleeda 7. Ms. Nurazimah 8. Mr. Mohammad Aizuddin Fahmi 9. Ms. Nur Sabrina
サバル地区:
Mr. Ragai
/
Mr. Lanyau
(Sabal村) / Mr.
Bill / Mr. Robin (Nyalitak村)他
NPO担当:鍋嶋 / Alex Then
**植林活動をサポート頂ける自治体や団体を広く募集しております。どうぞお気兼ねなくお問合せ下さい。こちらへ>>
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