ご報告

2023年度 経団連自然保護基金 プロジェクト

UNIMAS大学と共同での動植物の生態調査をもとに

「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」

Develop Eco-Tourism at Sabal area and its surrounding

through ecological survey of flora & fauna with UNIMAS and the native.

 

Sabal Nature Photo Contest 2023 景品贈呈式 (2023年11月15日)

2023年4月5日~9月30日に開催した Sabal Nature Photo Contes 2023も、多数の参加者、多数の写真の応募があり、マレーシアのボルネオ島部の先住民地域でも、SNSの浸透が顕著であることが証明されましたが、10月20日に、結果発表後、11月15日にSabal村にて、景品贈呈式を行ってきました。

 

Sebangkoi Jaya 村は、応募者1名で、その方が賞を獲得されましたが、Sabal村への移動手段がないため、直接村に立ち寄って、一足先に贈呈してきました。

 

その後、Sabal 村へ移動し、贈呈式の会場に到着しましたが、少し早すぎたのか、まだ、誰も来ていなく、少し不安になりましたが、予定の11:00の15分前位から、順次集まりだしましたが、移動手段が限られるため、全員が来れない村の方や、別の外せない用があるため、来れない方が、律儀に身分証明書をコピーして、来れる人に託したりなど、サラワク州州都のクチンの交通の便利さに比べ、サラワクを縦断する幹線道路のPan Borneo Highwayが完成して、この近辺の村々を通るものの、未だに、村人にとっては、数kmの移動が難渋するという事を、改めて、痛感しました。

この近辺の村は、公共のバスは、運行されてなく、高速バスは通過するものの、道路端で待って、席が空いていれば乗れるという運頼みか、クチンと郊外の街を結ぶ自営のバンにお願いすると、高い料金となりますので、このちょっとした移動が、実は、すごく大変な事なんだと再認識しました。

 

 

 

さて、景品を並べ終わった頃には、大分人が集まってきましたので、まずは、参加賞を贈呈します。賞を獲得した方も、参加賞獲得の権限があります。

参加賞は、ソーラー電池式の照明具で、電気は通っているものの、街灯のような照明は、村にはありませんので、夜は真っ暗闇の場所も多く、家の周りを照らすには便利ですし、特に、村の周辺に点在する耕作地などの出作り小屋には、電気は通っていませんので、陸稲や水稲における泊りがけが必要な作業時や、ドリアンの季節になると、そういう小屋で、夜を過ごすのですが、今までは、蝋燭の灯りや、懐中電灯を頼りに、不便な思いをされていたのを改善するのによいと信じています。

先着50名のみへの贈呈でしたが、そこまで、高いものではありませんので、このような便利なものが浸透するには、良いきっかけになればと思います。

サラワクの北部の世界遺産のあるグヌン・ムル国立公園は、洞窟が多く、もともと、懐中電灯なども含め、新しいものが導入されるのが早い地域ですが、このようなソーラー電池式の照明具は、随分前から浸透しているのですが、ここサバル地区では、全く浸透しておらず、一部の人しか使っていないので、このような機会で、多くの人が知る事で、安価で便利なものが浸透する事を願っています。

  

 

  

 

  

Nyellitak村からの一部の方がまだ、到着しておりませんでしたが、来ている方のみ、まずは、参加賞を贈呈しました。

 

Nyelitak村からの受賞者も到着された後、賞を獲得された方の授賞式を始めました。

まずは、特別賞の6名です。コーヒーメーカーを贈呈しました。サバル村では、2019-2021の3年間で、コーヒーの生産者組合構築のプロジェクト(経団連自然保護基金2019~2021)を行い、その後、農園に植付け後3年目にしてやっと、2023年の年初にかなり沢山の果実を生らし、ちゃんと赤く熟す迄、我慢して待ったのは良いものの、そろそろ収穫をという時に、リスやサルが食べ尽くしてしまっており、残念ながら、十分な収穫が出来なかった経緯がありますが、現在、新たに、白い花を沢山咲かしているので、害獣対策を施した上で、来年初旬には、収穫をして、自らの生豆精製の初回を達成したいと計画します。コーヒーの果実の部分は甘く美味しく、乾燥した後の果実部は、カスカラティー(キシル)として、お茶として飲料可能です。

それと並行して、コーヒーの苗木を育成していますので、現在、村人の未使用の土地に小規模ながら植えてくれている方もおり、さらに、村人の畑の空いた場所に少しずつ栽培をしてもらう計画ですので、コーヒーメーカーは、その直接的な関係はありませんが、コーヒーの未来という意味で、この賞の商品に決めた次第です。

  

 

  

 

次に、特別優秀賞は、4名に贈呈しました。サバル近隣の村々だけでなく、首都のクチンでも、専業主婦層の収入増加というのは、各家庭の課題であり、クチン市内や他の都市部では、政府の専業主婦向けの職業訓練校があり、家事をしながら、家庭でできるビジネス・モデルとして、家でもできる身近なケーキやお菓子の販売の指導を行っており、今では、サラワクの名産となった、ケーキ・ラッピス(サラワク版バームクーヘン)の拡大や名となりえたのは、このような専業主婦のための職業訓練校の卒業生が一役を担っており、中には、マレーシアの首都クアラ・ルンプールにまで、店舗を展開する専業主婦の事業主も排出しています。

このような背景から、このサバル近隣の村々でも、専業主婦の方と言っても、農業などを含め、男性と同様の仕事をされているものの、収入という意味では、皆無の状態に近く、女性の自立という意味では、まだまだ、これからという状況ですので、このオーブンが、その足掛かりになればという願いを込めています。

 

 

 

   

 

次は、優秀賞の3名に(1名は、Sebangkoi Jaya村で贈呈)、コードレス電気草刈り機を贈呈しました。

この贈呈式当日も、周辺の家庭の2軒の方が、除草剤を撒いている人いるのを見かける位、草の処理が大変なのは、熱帯であることと、適度の降雨量で、草が絶えず覆い茂る状態で、当団体の植林活動の一番大変な作業も、この下草刈りと言って過言ではありません。植林地や農作物に関しては、基本除草剤を使わないように勧めていますが、農作物は、死活問題ですので、草や害虫のための除草剤や除虫剤を余儀なくされる事も多々ありますので、致し方ない部分かもしれません。

ただ、その習慣が、家の周りの草の処置も同様の除草剤を使う結果に繋がり、常用化が進んでいるのも否定できません。一般的に使われている草刈り機は、ガソリンとオイルを混ぜた燃料が必要となり、このような地域では、その燃料を購入する場所がありませんので、町に行った時に、購入しておく必要があり、耕作地などのある程度の大きさの面積の草刈りをする場合には、その準備としてしっかりするでしょうが、逆に、家の周りなどの気軽な場所での草刈りは、除草剤に頼りがちです。

そういう意味で、この電動のバッテリー式の草刈り機は、長い時間の草刈りは難しいですが、家の周辺の草刈りには、気軽に、刈り取る事が出来、燃料の心配もなく、充電さえしておけばよいだけですので、気軽で、除草剤の使用量も減っていく事と考えられます。また、このような気軽な草刈り機で、家周りの草刈りを、低賃金で請け負う事で、現金収入の足しにすることも可能になると期待します。

  

 

 

 

最後に、大賞は、Winstin Ak Ejau氏に。こちらは、ソーラーパネルでも充電可能なポータブル電源装置を贈呈しました。15年位前迄は、発電機を持っていない人は、発電機を持っている人の電気を頼りに、夜だけの発電など、限定的な電気の供給しかなかった村は、その後、送電線からの電気が開通し、村の住居周りでは、電気を24時間利用できるようになりましたが、停電なども、サラワクは比較的少ないものの、それでも、時折起こるので、そのような非常時に、昔の発電機を使おうとしても、便利な電気生活を送っていると、その発電機のメンテナンスも十分にされていないため、緊急時の利用もままならない場合が多く、このような電源装置があれば、緊急時に対応出来たり、コンパクトで持ち運びしやすいので、農作業の出作り小屋に、持って行って、電源を確保出来たり、しかも、普通の電源からも充電は出来るのはもちろん、ソーラーパネルからの充電も兼ね備えていますので、こういう僻地では、非常に便利な利用が見込めます。

Winstin氏は、最初は、電動草刈り機がほしいと言っていましたが、この電源装置の説明をしましたら、これからドリアンの季節になるので、夜通しのドリアンの収穫のお供に最適だと喜んでいました。 

 

 

[Sabal Nature Photo Contest 2023] 公式ウェブサイト

応募頂いた写真の中から、興味深い写真をこちらのフェイスブックで、公開しています。

 

優秀作品

★特別賞6名 (賞品:コーヒーメーカー)

   

左より(スマホは上から) Mr. Desmond Dosim ak Thomas (Nyelitak村)、Mr. Henry ak Sajang(Sabal Kruin村)、Mr. Bronson ak Liam(Nyelitak村)

  

左より (スマホは上から)、Mr. Renggan ak Changu  Sabal Kruin 村)、Ms. Mellissa ak Jee (Sabal Aping村)、Mr. Baxter ak Budut (Nyelitak村)

 

★特別優秀賞4名 (賞品:電気オーブン)

  

左より(スマホは上から)、 Ms. Marylen ak Ragai  (Nyelitak 村)、Ms. Roseline ak Dugu (Nyelitak村)、Ms. Evelyna ak Suni (Nyelitak村)

Ms. Siti Spiee (Nyelitak 村

 

★優秀賞4名 (賞品:コードレス電動草刈り機)

  

左から(スマホは上から)、Mr. Brenden ak Jaul (Sabal Kruin村)、Ms. Impian ak Baking (Sebangkoi Jaya村)

 

 

左から(スマホは上から)、Mr. John ak Laden (Sabal Kruin村)、Mr. Ragai ak Manju (Nyelitak村)

 

★大賞1名 (賞品:ソーラーパネル充電可能ポータブル電源装置)

Mr. Winstin Ak Ejau (Sabal Kruin村)

 

最後に、村人たちから、この贈呈式に参加した人からも、参加できなかった人からも、たくさんの喜びの声を頂きましたが、かなりの方から、来年もコンテストお願いしますと言われてしまいましたが。。。。村人から応募された写真から1枚のポスターを作成しました。

 

**クリックして拡大できます。

 

 

2023年 経団連自然環保護基金 「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」 サバル地区の景品贈呈式

期間:202311月15日

対象地域:Sabal Kruin村 / Nyelitak村 / Sebangkoi Jaya村 / Telagus村 / Terok村 / Sungai Kura村 など、サバル近隣の村

写真応募: 103 名の応募(386 枚の写真)

 

 

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