ご報告
サンパディ森林保護地区
NPO緑の大地の会(大分県)
(2011年8月25日〜9月5日)
今年は、日本の東北地方太平洋沖大地震の影響で、当然ながら、ボランティア活動の方向性が、国内を中心にという風潮で、海外へのボランティア活動は、縮小される傾向にありましたが、1996年から続けられる、このサンパディ森林保護地区の植林を是が非でも継続をという信念から、学生4名、一般5名の計9名の参加者が、この地を訪れられました。
今回は、クチン滞在が1泊2日と短い行程でしたが、植林を始め、セメンゴ野生動物センターにて、希少野生動物の保全活動等を見学され、充実した2日間だったと思われます。
また、9月3日の植林当日は、朝から降り出した雨は、サンパディ森林保護地区迄の1時間の道のりで、雨足を強めていき、到着時も雨と、雨の中の植林をいう、いまだかつて無い経験をされましたが、植林を開始した頃には、雨足も弱まり、無事、1ha(400本--先住民族の植林した分を含む)を達成できました。
今回は、学生の方では、初めての2度目の参加という方もいて、3年前に植えた木が、多少なりとも成長しているのを見て、きっと心の中に何かを刻み込まれたと思います。
尚、今回の植林と平行して、1996年以降の17haの全ての植林済みの地域の維持活動も行い、下草刈りだけでなく、枯れてしまった苗木の植替え等、肥料散布等も行い、今後の成長を期待します。8月25日より、近隣先住民族と共に、植林予定地の1ha(400本)の整地やライン作り、及び、維持活動、9月3日に会の皆様と植林をしました。1名当たり約40本の植林を、近隣の先住民族と共に、共同作業をされました。当日の雨のせいで、かなり、ぬかるみの中でしたが、「雨降って地固まる」では無いですが、土壌も非常に良さそうな所でしたので、上手く根付くと良いと思います。
<植林準備>
まずは、藪を払っていきます。特に、羊歯の類が繁るので、それを全て刈り払っていきます。
大きな木は残しながら、微妙な影を作り、藪を払っていきます。
草が覆い繁っている所は、草刈機で、刈っていき、その後、手作業で草を刈っていきます。
ラインがあらかた出来て、植える場所の目印の棒を、5m間隔で、ラインに沿って、並べていきます。こちらは、紅一点の先住民族ビダユ族のLinda さん。
等間隔で、植林のラインを作っていきます。
ラインにそって、目印をおいていきます。
<9月3日(土曜日) 植林当日>
朝から降り続いた雨、植林地に到着しても、雨が降っています。雨が止むのを期待して、まずは、ご挨拶。
サラワク州森林局の植林部の副部長のMr. Johin Ak Ngayop 氏のスピーチを真剣に聞かれる、NPO緑の大地の会の参加者の皆様。既に、レインコートを着て、気合十分です。
NPO緑の大地の会の寺尾理事長による代表の挨拶。植林に込める熱い想いを語って頂きました。
NPO緑の大地の会の寺尾理事長より、副部長のMr. Johin Ak Ngayop 氏へのお土産を渡されました。その他、NPOのご参加者の方々が、沢山のお土産を、植林に参加している近隣の先住民族の人たちの為に持ってきて頂きました。先住民族の人々も喜んでいました。
植林中は、シトシトと雨模様でしたので、写真がありませんが、植林後の当団体の酒井理事長が、参加者へ熱弁を振るっている様子。
看板の前で、記念撮影。今回は、マレーシアで2番目のUKM大学の環境社会学の専門のProf. Dr.Junaenah(黄色い長靴の女性) 女史も見学され、森林保全の活動だけでねく、先住民族の、先住民族による、先住民族のための同プログラムに感銘を受けられていました。
3年前(2008年)に植えたリュウノウジュ(Dryobalanops beccarii)を囲んで。2m近くに成長していました。
こちらは、1996年度の第1回目の植林のサラノキ(Shorea Macrophylla )を囲んで。参加者だけでなく、他の日本からの団体の人や、現地の森林局、専門家の人々も含め、植林のモデルとして、この地域は、参考にされています。
そして、これが、この歴史の始まりです。大分三重農業高校として、始まったこの植林。植林の1年目の1996年にたてた、桜の木で作った看板は、今も健在です。そして、その誇りは、受け継がれています。
<維持活動>
植林終了後、植林当日までに終わらなかった植林済みの地域の維持活動を継続しました。大まかに、草刈機で、周りの下草刈りをして、その後は、手作業です。
背丈の出てきた植えた木を注意しながら、草を刈っていきます。
4年目の木です。随分大きくなりました。まだ、地面に日が当たるので、草がどんどん生長しますので、早め早めに伐らないと養分を吸収されてしまいます。
下草刈りが終わって、地面がすっきりした苗木。維持活動は、きちんとやると、すくすくと育ってくれますので、年に1度か2度は、きっちりと行わなければなりません。
こちらも4年目のリュウノウジュです。こんなに大きくなりました。
開けた所は、草刈機で、一気に草を刈っていきます。
12年前のサラノキです。真ん中にスクッと立つ木。
1997年に森林局が立ててくれた看板。大分三重農業高校の第2回の分です。
こちらが、1997年に植えたサラノキ。この位になれば、林冠が緑で覆われるので、地面には、太陽光があまり当たらないので、下草が育たなくなりますので、維持活動も、手が掛からなくなります。「親の手を離れた子供」という感じですね。
こちらも、1997年の第2回に植えたサラノキ。中央を、整然と並んでいます。
<おまけ>
こちらは、植林当日の昼食のデザートとして、森林局の現場担当のMr. Jonathan Lat氏が大量に持ってきてくれたドリアンです。彼が住んでいるLUNDU(ルンドゥ)という町のドリアンは、隠れた美味しいドリアンを出す町だそうです。日本からの参加者の方は、美味しいと、2度と食べたくないのいずれかでしたが・・・・。
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2011年度 NPO緑の大地の会
期間:2011年8月25日〜9月5日(12日間)
植林苗木数: 400本
植林地面積: 1 ha
樹種名:Dryobalanops beccarii
現場監督: Mr. Jonathan Lat ( サラワク州森林局植林部職員)
先住民族:10名
Mr. Disincy Nohik / Mr. Inbit Poin / Mr. Manson Inbit / Mr. Ahapo Lijon / Ms. Linda Johem / Mr. Wan Rosidi Juen / Mr. Budin Sigon / Mr. Jebeng Laob / Mr. Roman Bunseng / Mr. Sim Jong Sen
NPO担当:酒井和枝 鍋嶋誠一朗
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