ご報告

2021年度 経団連自然保護基金 プロジェクト

コーヒー生産者組合構築

20219月8日~9月30日

コーヒー生豆センターの設備の設置作業、及び、作業の指導。

 

2020年度後半(2021年2月頃)の感染拡大の小康状態から、3月以降に感染者増加傾向となり、5月半ばは、かなり危険な状態で、6月1日よりマレーシア全土での完全なロックダウンの厳しい行動制限令が引かれ、州内の自治区間の移動も厳しい制限が継続されていました。

その後、6月15日に、マレーシアの首相より「国家回復計画」が発令され、各州毎に、感染者数、ワクチン接種率、残存重症患者用病床数などを基準に、緩和を4段階で進める方針が発令されました。その段階では、ほとんどの州が、最も規制の厳しい第1段階(完全なロックダウン)の状態で、どの基準より遠い状態でした。

 

その後、7月初旬、ペナン州などのいくつかの州は、若干の改善が見られ、第2段階へ移行し、ここサラワク州も、714日から、第2段階へ移行しました。第1段階から第2段階への規制の緩和は、若干の緩和のみで、自治区間の移動も、生活の必要最低限の業種の特別な理由が無い限り、制限をされておりました。その同時期に、マレーシア全土各地で、ワクチン接種が急ピッチで進められました。

 

その後、82日に、ペルリス州、ラブアン、ここサラワク州の3州の最低ラインの基準値をクリアーして(その段階でサラワクのワクチン接種率2回終了の成人人口の60%)84日より第3段階へ移行と首相より発表となりましたが当団体の事務所のあるクチンや、対象の村のサラワク州南部は、感染数が上昇傾向にあったため、サラワク州の第3段階への移行は、サラワク州南部以外の地域という発表がなされまして、この活動の地域は、引き続き、第2段階の行動制限となりました。

9月以降、少しづつ緩和措置が取られ、サラワク州の南部の地域内であれば、移動可能という事になりましたので、9月8日に、生豆センターの施設設置場所に行き、最終的な計画をまとめ、前期内に、予定の作業を終了できるように、村人と打合せをしました。

 

2021年9月8日  Kpg. Sabal村にて、コーヒー生豆センターの設備の設置のための打合せ

コーヒー果実の水洗設備の寸法の測量や必要な資材の確認です。

 

有機肥料施設(ミニ・コンポスト・センター)の拡張の為の寸法の測量や必要な資材の確認です。

その後、30分ほど移動した地区にある、資材屋にて、諸々資材の発注を村人と共に。

 

 

 

2021年9月9日  Kpg. Sabal村へ資材の搬入

 翌日には、諸々の資材が搬入されました。長期的に利用してもらうためにも、衛生的な点も考慮をし、基盤となる部分はセメントで固める事にしました。

  

セメント用の砂利や砂は、合計17トンと、20袋のセメントを利用しました。

 

ただ、柱や梁になる木材が、別の場所より持ってくる必要があるため、後日、運搬となりました。

 

 

2021年9月12~13日  Kpg. Sabal村にて基礎工事

まずは、土を均し、その場所へ砂利を敷いていきます。

 

コーヒー果実の水洗設備の場所は、その他の作業も含め、作業場となりますので、基礎をしっかりする計画です。

 

一昨年建設した、ミニ・コンポスト・センターの内側や拡張部の基礎も同様の予定です。

 

セメントをこねて、まずはミニ・コンポスト・センター(旧)を完成させます。当初は、特にセメントの必要性はありませんでしたが、

地面からの湿度や、害虫などの侵入防止などのため、村人よりのお願いでしたので、この機会に行います。

 

排水の事など考慮しながら、セメントを敷いていきます。右側の写真は、セメントを敷いた翌日の写真です。 

 

 

2021年9月14 クチン市内で、コーヒー生豆乾燥台作成作業

CHANG氏設計による指示に合わせて、寸法や必要なものを揃えます。

 

乾燥台は、収穫が多い場合は必要ですが、その乾燥をしない間は、利用頻度が低いので、コンパクトに収納できるように、着脱可能なものです。

 

どうしてもスペースを取ってしまいますので、3フィートx5フィートのものを8セット用意しています。

 

2021年9月23日  Kpg. Sabal村にて建設作業(洗浄設備)

少し時間が空いていましたが、天候が悪かったのと、村で不幸があったので、作業が延期となりました。

寸法に合わせて組み合わせていきます。

 

梁等を設置し、屋根を設置し、後日、基礎部分のセメントを流し込みます。

 

 

2021年9月24 Kpg. Sabal村にて建設作業(ミニ・コンポスト・センター<有機肥料設備>拡張、及び、洗浄設備の基礎)

有機肥料施設の拡張分の骨組みを組み合わせます。、

 

洗浄施設の基礎を設営します。

 

 

2021年9月27 Kpg. Sabal村の施設完成 (ミニ・コンポスト・センター<有機肥料設備>拡張、及び、洗浄設備)

ミニ・コンポスト・センター<有機肥料設備>の拡張作業の最終段階です。床面にセメントを敷きます。、

  

前面の入り口以外は塞ぎ、有機肥料の維持に良い環境にします。この場所を起点に、有機肥料の種が、村中に拡がる事を目指しています。

 

 

洗浄用設備(建物と洗浄用タンクなど)の完成です。この下に洗浄用のタンクを置き、コーヒーの実の洗浄作業場やその他の作業場として利用します。

 

こちらが、洗浄用のタンクで、これは、貯水用のタンクで、市内ではほとんど需要のないもので、手に入りずらいので、クチン市内よりサバル地区へ行く途中の工具屋で入手しました。

 

 

2021年9月28 クチン市内で、コーヒー果実の脱肉機の購入と調整依頼

収穫までは、まだまだ先ですが、リベリカ種の粒が不均等のため、それに対応できる脱肉機も限られ、ここでは、簡単に手に入らないため、これに対応できる機械を購入し、機械内部のローラーの大きさを調整してもらう事が必要ですので、早めに購入し、調整をしてもらいます。この脱肉機の村への搬入は、下期に予定しています。

理想を言えば、村人が植えたコーヒーの木の果実がなり、その自分たちで育てた木から取れた果実で、最初の作業をしたい所ですが、もし年度内に間に合わない場合は、作業詳細の説明と体験は、他の地域で収穫されたコーヒーの実で行う予定です。

 

脱肉機は、脱穀機を改良して利用します。

 

このロールの部分が、この脱穀機だと、大きすぎるため、このロールの直径が小さいものを作成し、コーヒーのチェリーに対応できるように改良します。このロールを交換可能な状態にして、コーヒー収穫時期は、コーヒー果肉除去用、それ以外の時期は、脱穀機としても使えるようにします。

脱穀機自体は(厳密に言うと、脱稃機)、村には数えるほどしかなく、自作のお米(籾殻ついたままで保管)を利用する分だけ、脱稃する作業を

機械の所有者に有償でお願いするというのが、今では、一般的ですので、今回はこの脱肉機を共有財産として、村人が誰でもできる機械として利用してもらいます。最小限の電気代と維持費として、村人に積み立てをしてもらいます。

 

 

2021年9月29日 Kpg. Sabal村にて、CHANG氏による「生豆センターの設備一式」の作業詳細の指

CHANG氏のリモート始動によって準備された各設備を、CHANG氏が順に説明と指導しました。実際に、果実が無いので、その作業は出来ませんが、具体的な作業の指導で、果実が実る日を夢見てもらいました。

 

◎ 乾燥設備の作成と指導 乾燥施設は、収納可能な組み立て式のものを用意しました。

 

村人でも簡単に出来て、頑丈なもの、耐久性のあるものという事で、CHANG氏の指導の下設計し、組み立ての指導をしています。

  

チェリーの収穫後の洗浄後の最初の乾燥は、約3週間を必要とし、その際に発酵も促されます。最初の1週間~10日間は、黒いネットで遮蔽し、直射日光が当たらないようにします。

その後、残りの乾燥の期間は、直射日光ですが、雨の多い熱帯地域ですので、雨対策なども指導してもらいました。

また、脱肉後の種子(コーヒー豆)の乾燥も、この台で作業をしますが、それは、2日間程度の乾燥のみです。組み立て式の乾燥設備を8式用意しています。早く、この台にチェリーやコーヒー豆が並ぶ日を想像しながら、頑張ります。

 

 

◎ 洗浄施設の指導の写真

水道の通っていない僻地でよく使われる貯水タンクを使用し、作業しやすいように、半分に切って使用します。

 

ホースで引っ張れば、この洗浄施設の所まで給水は可能ですが、作業効率を考慮し、専用の給水設備と、電源を確保するようにしました。

  

排水用のパイプです。この屋根付きの洗浄設備は、脱肉機の作業など、その他の作業にも使う予定です。

洗浄自体は、収穫後、集荷されたチェリーを1~2時間ほど漬けて、チェリーの品質の選別をするためのもので、浮いたものは排除し、沈んだものを乾燥のプロセスに移行します。

 

 

◎ 脱肉機設置予定の場所で指導の写真

脱肉機の改良が完成しておりませんし、まだ、果肉自体が無いので、動画で指導をしてもらいました。この屋根付きの洗浄設備の一角を利用しますので、そのための電源の必要となります。村にある脱穀機と、使用や性能が似ているので、扱いやメンテナンスの方法などは、村人も理解しているようでした。

 

 

◎ ミニ・コンポスト・センターでの指導の写真

こちらの拡張は、資材が不足したため、完成しておりませんでしたが、CHANG氏よりの指導をしてもらいました。食材の残りなどの有機肥料のコンポスト活動を継続しながらも(2019年度建設分で継続)、今回の拡張部は、排除されたチェリーや脱肉後の果肉などを中心に、有機肥料を保管する場所として用意しました。

 

果肉などの果実系は、発酵して有機肥料となる際に、臭いの問題などもありますが、ゴムの精製の際の臭いに比べると、その比ではないようです。一部地域で行うカカオの乾燥時も臭いが強いですので、その点は問題ないようです。

 

 

◎ 今後の苗木用の母樹の植樹

このコーヒーの計画は、生豆を精製するという目標と、小規模な村人の開いた土地に少しづつ広げていくための苗木を、他の村人に共有してもらうための苗木育成という目標もあり、当初は、農園の方から収穫したチェリーの一部をと考えてましたが、CHANG氏より、以前から、農園は少し距離があるので、必要な時にしか見に行けないので、家のすぐそばに母樹を植えると、手塩を掛けて育てれるので、苗木を育成するチェリーもより品質が良いものとなるのでは、という指導があり、今回、苗木センターの周りに植える事が出来ました。

 

今回は、3本植えて、これは、苗木用のチェリーの収穫用として利用されます。コーヒーの根っこはぎっしりです。

 

雨模様でしたが、何とか、植えました。

 

2021年9月30日 ミニ・コンポスト・センターの拡張の完成

資材の不足の為、追加資材を送り完成しました。

 

 

ミニ・コンポスト・センター<有機肥料設備>の拡張の完成です。この場所を起点に、有機肥料の種が、村中に拡がる事を目指しています。

 

これで、苗木、農園、洗浄設備、乾燥設備、脱肉機、生豆の精製用、及び、苗木作成用の設備この村で生豆を生産するたに必要な設備は、すべて整いました。後は、コーヒーが実を成らして、この村に、産業の芽吹く事を目指しながら、村人と共に頑張りたいと思います。

 

2021年度の下期中(2022年3月31日)まで、植えたコーヒーの木が実を生らして、それで、一連の作業が出来るよう、最善を尽くしています。

しかしながら、最初の結実に至らない場合は、チェリーを入手し、一連の作業を村人と行う事とします。

 

 

2021年 経団連自然環保護基金 コーヒー生産者組合構築プロジェクト 生豆センターの施設設置作業

期間:20219月8日~30日

場所:サバル・クルイン村

責任者: Mr. Chang Jong Yiaw

NPO担当:鍋嶋 / Alex Then Yin Siong  

Sabal Kruing 村

Mr. Ekin Empati (対象家族1代表者)/ Mr. Ragai Maju (対象家族2代表者)/ Mr. Nyandang Wednesday (対象家族3代表者)

Mr.Bagon Bundan (対象家族4代表者)/ Mr. Subong Buyong(対象家族5代表者)/ Mr. Udat Rouis (対象家族6代表者)

 

 

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