ご報告

2023年度 経団連自然保護基金 プロジェクト

UNIMAS大学と共同での動植物の生態調査をもとに

「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」

Develop Eco-Tourism at Sabal area and its surrounding

through ecological survey of flora & fauna with UNIMAS and the native.

 

Sabal Nature Photo Contest 2023 絶賛開催中(2023年4月5日~9月30日)

 

お陰様で、2023年度も経団連自然保護基金の助成金を認可されました。

2022年度のプロジェクト、課題は残ったものの、予定通りに終了し、2023年は、ツーリズムへの可能性のために、珍しい動植物や景観、川や滝など、訪問者が興味がわく素材探しを、サバル地区近隣の村人にも協力して頂き、村人の参加型の写真コンテスト「Sabal Nature Photo COntest 2023」を開催しています。

昨年度に引き続き、UNIMAS大学との調査は、植物を中心に進め、5月頃より調査開始予定です。2022年度の動物調査のカメラトラップもそのまま残し、調査を続けます。

植物調査を中心に、絶景や、川や滝など魅力ある素材を発掘し、今年度の目標は、ハイキング・コースの下地作りをする計画です。

 

写真コンテストに関しては、2022年度の最後の活動の村や小学校での説明会の際に、事前に、この写真コンテストの告知をしておりましたし、前々からこの3年間のプロジェクトの理解を促すために、各村々で、内々に共有しておりましたので、その説明会の際に、既に写真を用意していた村人もいました。

早速、写真コンテストの開始日の4月5日の初日には、応募先のスマホの通信SNSアプリのWhatsappにて、数多くの応募写真を頂きました。

 

4月4日に、サバル地区の村や小学校に、写真コンテストのポスターを配布してきました。

  

 

**応募方法のQRコードは、黒で塗りつぶしているのは、上記指定の村以外の方の応募出来ないようにするためで、そのアクセスを制限するために公表していませんのでご了承ください

 

対象の村人の応募頂いた写真の中でも、秀逸な物、こちらの意図を上手く理解している写真など(他の村人が参考に出来るような写真)、最終的には、ツーリズムの素材となりうるものを、順次、公式フェイスブックにて、公開していますので、是非、ご高覧頂けると有難いです。この写真コンテストは、その写真の技量を競うものではなく、ツーリズムの素材を発掘するためのものですので、ぼやけたものなどがあるかもしれませんので、ご了承ください。

[Sabal Nature Photo Contest 2023] 公式ウェブサイト

応募頂いた写真の中から、興味深い写真をこちらのフェイスブックで、公開しています。

 

4月25日までには、こんないろいろな写真が応募されました。約140枚の応募写真から、良さげな写真を選んでみました。

  

滝は、サラワクの人にとって、海水浴より馴染みのある訪問場所です。ヒルの写真が来て、びっくりです。

  

菌類も豊富にありますね。蝶々も、村人は今まで気にかけて無かったのでしょうが、この写真コンテストで、村の周りの再認識に繋がると狙い通りです。鳥の巣も、中には、珍しい鳥もあります。このような写真を基に、UNIMAS大学の調査チームによる手腕が生かされていきます。

  

滝や、珍しい花ですね。植物に関しては、魅力あるか無いかは別にして、新種があるかもしれません。食用の幼虫で、ゾウムシの幼虫で、生食でげんきになるそうですが、ヤシの幹にいます。ただ、これは、いつも見るのより、2倍ほどあるので、ゾウムシでないかもしれません。

  

センザンコウは、保護動物ですので、このような自宅での写真は、厳重注意して、森に帰してもらいました(詳細は後述)。滝や、村人も知らない、黄色い「花」です。 

  

ショウガの仲間(日本ではミョウガに近いと思います)の花はきれいですね。ランも、この種は、地表から育つ種類で、道路脇などに良く自生する種ですが、これをきっかけに、間違えて、このようなランも含めて、草刈しないようになるでしょう。アゲハチョウの仲間ですかね。これは、カランコエの花の蜜に来てますが、家の近くでしょう。 

  

日本では、見かけない(?)黄色いテントウムシの仲間や、大きな蛾のヨナグニサン{?}、白い花に、毛虫(大きい!! 何になるのでしょうか)などがきてますね。サバル地区の村のほとんどの村人は、このような自然界の生き物や植物を何気に見ていたのでしょうが、このように写真を撮る事で、それぞれに対する見方が、少しでも良い方向に変わり、小さな生き物や草が、実は、人々が訪れようと思うきっかけになるという事を上手く共有できれば、結果として、生物多様性の維持が可能出来るのでは、と信じています。

 

〇 最近では、ランドスケイブ(横型)の写真より、ポートレート(縦型)の写真が多いですね。やはり、スマホの影響でしょうが、スマホやSNSのおかげで、このような写真コンテストに村人も参加する事が出来て、技術の進歩で、村人とのネットワークが広がる感がワクワクします。

   

コンニャクの仲間で、葉が開こうとしている状態で、実は、これは、ショクダイオオコンニャク。世界で一番長い花、しかも、滅茶苦茶臭い。ラフレシアの匂いが甘く感じる程の臭い臭いです。ただ、こちらの人は、コンニャクは食べません。巨木は、Merantiと呼ばれるフタバガキの仲間。そして、鳥の巣と、その中に卵が見えますね。どんな鳥の巣なのでしょうか? 

   

イバン族の女性の日常の一コマ。畑仕事に行くと、いろんな必要なものを、少しづつ、採集してきます。いろんなものを絶やすことなく必要な分だけ使う、サステイナブルという事では無いかと思いますが、イバン族の皆様は、伝統的に実践しています。サソリですね。クチンの私の家でも、普通に出ますので、私的には、珍しくないですが、村も当然いるのでしょうね。ランブータンの木があると、結構サソリが出るようです。菌類は、動かないので、かなりの数の写真が応募されていました。

   

スッポンも巨大ですね。これは、保護されていないのでしょうか、村人が食する分には、良いのでしょうか。ただ、鼻血や目が充血する位、精が出ます。サルノコシカケですかね。カマキリは、年中、普通にいます。 

  

蛾や蝶の仲間も、色々いる筈です。今後、いろんな写真を期待しましょう。また、爬虫類のトカゲも、色が変わっている途中の決定的瞬間の写真ですね。上層部が茶色で,下部から尻尾の欠けて緑なので、葉っぱが多いここに移動してきて、その葉っぱの緑に変色している最中です。たまたま撮ったと思いますが、ナショナル・ジオグラフィック張りの写真を村人が撮影しているのに驚愕です。 

 

黄色いトーチ状の花ですね。左側のは、開墾地などに自生している種だと思いますが、右側のは、栽培の野菜の花のような気がします。

 

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まだまだ、始まったばかりですが、応募者は総勢16名と少ないですが、合計140枚の写真が応募されています。

締切の9月30日までに、どんな不思議な写真が出てくるか、楽しみです。

 

テーマとしては、近隣の森の中のものを対象にしていますが、かなりの量の写真が、家の周りの果樹や野菜などの作物の花や、それに集まる蝶や昆虫などもあり、時折、村の生活に関わる写真も応募されていますが、それも含めて、村人の生活の細かい部分が見えてくるので、それも興味深いですので、まずは、特にテーマに拘らず、村人がいろんな思いで撮影した写真を、特にこちらから限定しない方針にします。もしかしたら、ツーリズムに関係する未知の素材が出てくるかもしれません。

 

中には、捕獲したセンザンコウの写真を送ってきた村人もいて(上記写真参照)、厳重注意しました。センザンコウは、その鱗が漢方薬の原料となると言われており、高く売買されているのですが、最近では、その効能は無いという話もあり(中国の漢方リストから除外された関係で、闇取引が横行しているとも言われています)、乱獲による個体数の減少が危惧されていますので、ここサラワク州でも、保護動物の筆頭にあげられるものです。また、摘発された場合には、その罰金が、1匹当たりではなく、鱗1枚当たりで、罰金が数百万リンギット(マレーシア通貨)と数10年の禁固刑という前例もありますので、合わせて、村人と共有しましたが、このような村人が知らない情報を共有できる、それが、動物保護にもつながるという事が、このような写真コンテストでも、可能になるとは思ってみませんでした。このセンザンコウは、村人が即座に森に帰してくれたようです。

 

UNIMAS大学の植物調査も5月頃には開始できると思いますが、引き続き、写真コンテストの応募状況も、定期的に、ご報告させて頂きます。

 

 

2023年 経団連自然環保護基金 「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」 サバル地区の写真コンテスト開催中

期間:202345日~9月30日(2023年4月25日までの応募分)

対象地域:サバル・クルイン村 / ニャリタ村 / テラグス村 / マワン村 / テロック村 / セバンコイ村 / スンガイ・クラ村など、サバル近隣の村

写真応募: 16名の応募(140写真)

 

 

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