第11回 ご報告

2020年度 経団連自然保護基金 プロジェクト

コーヒー生産者組合構築

2021320

サバル・クルイン村でのコーヒー栽培と換金作物としてのコーヒーに関する講習会

 

 

前回の視察後、3月16日までの行動制限令が、3月29日まで延長となり、それまでは、ミリに行くのは困難な状況ですが、現在は、ミリの感染確認者数が減少傾向にあるので、それに期待しながら、Long Lellang村への視察を検討している途中です。

 

さて、コーヒーの小規模農園を村中の利用されていない土地の有効利用して、生産者組合構築を図っているのですが、コーヒー栽培のメリットを村人に理解してもらい、コショウやゴムという換金作物と同程度か、それ以上のメリットがあるという事を理解してもらわないと、誰しも興味を示しませんので、今日の講習会は、この3年間のプロジェクトでも、一番重要な位置を占めます。

 

残念ながら、新型コロナの影響で、近隣の村を含めた大多数の人にお話をすることが不可能になった今、代表者に広告塔の効果的な役目をしてもらうために、この代表者の方に、まずは、多大な興味を促せるような講習会をできるように、Chang Jong Yiaw氏に準備してもらいました。以前、バウ地区のビダユ族、パダワン地区のビダユ族、サラワク北部のバラム川沿岸のオラン・ウルー族など、多地域多民族、千差万別の文化や土地や宗教の背景を持つ場所場所で、講習や指導、農園の設営などをされてきましたが、どこも上手くいかない状況で、その反省点を踏まえた上で、サバル村で効果的な講習が出来るような素材を準備して頂きました。

 

ポイントは、その辺で売っているコーヒーとは異なる、輸出して西洋人や日本人や台湾人が好むような品質の高いものを、安全な有機的な栽培で行う事で、高い値段で取引されるものにするために、どのような作業のポイントがあるかという事を徹底的に話す。

また、サバル村で植えているコーヒーの品種は、リベリカ種は、アラビカ種やロブスタ種と異なり、世界の相場に影響されない事から、品質の良い独自のものを提供できれば可能性が非常に高いという事。特に、サバルの人々は、コショウの栽培をしているものの、コショウは世界の相場に影響を受けやすいのと、収穫までの時間が掛かるので、憂き目にあった経験を痛いほどしている。そこであきらめた人もかなりいますが、一方で、地道に継続して、安定な収入にこぎつけている人もいるものの、前者が多数であることは否めません。

 

クチンより2時間かけて、サバル・クルイン・バル村の村長さんのご自宅で、講習会を行いました。

 

まずは、最初は、今6家族で栽培しているコーヒーのリベリカ種の現状について、世界での流通が少ないものの、需要はあり、栽培が比較的容易で、世界相場の影響も受けず、Chang氏自分自身が、このリベリカ種をサラワクのコーヒーとして、販売しており、自分自身が焙煎するコーヒー全体では、年間5000トンの需要(海外からの依頼があるにもかかわらず)、現在、2000トンの供給しか出来ていずに、特に、このリベリカを展開させていくことで、お互いにとってメリットがあることを力説され、まずは、村人全員、興味をかなり示しました。

 

さらに、現在、自身に依頼が来ている海外のバイヤーは、リベリカ種で、RM 15-24/1キログラムの値がついているようであり、村人が手に出来るのは、その半分弱としても、現在のコショウの値段が、白コショウRM15/1キログラム、黒コショウがRM8キログラムで、その作業を比較すると、その値段の品質を維持するために村人の作業は増えるものの、コショウの収穫量と、コーヒーの収穫量、その収穫できる頻度を総合的に考えると、コーヒーの方が断然効率も良く、割も良いことを説明されると、村人の中から、「苗木は、今日貰えるのか」という積極的な意見も出て、こちらの期待通りの反応を示してくれました。

 

 

その栽培の部分は、特にこのイバン族は、農作物に関しては、新しいものを比較的容易に導入するので、いろんな作物の栽培を経験しているので、何メートル間隔で植えるのが良いか(自分の持っている土地の広さと必要な苗木数を割り出すために)、など、予想以上の具体的な質問が出て、Chang氏の講習が功を成しているのが明確にわかりました。、

 

 

ただ、収穫後の作業に関しては、現在の彼らの換金作物の筆頭であるコショウの作業に比べて、手間や時間が掛かる部分に関しては、若干、難色を示した村人もいましたが、この部分も含めて、村の中で、コーヒー農園~収穫~精製~乾燥~生豆という一連の作業を村の中で成立させる事と、チェリーの一部は、少しづつ多くの人が関われるようコーヒー苗木を継続的に作っていくことで、村全体(近隣の村も含めた)、小規模でも産業の一つとなりうる事を目標としていますので、その収穫後の作業に関しては、2021年度のプロジェクトは、この部分をきっちり構築しないといけないですので、必要な物資は変わらないものの、その方向性を決める上で一番の課題になると思いますし、多くの村人が継続可能なように、出来るだけ簡素化しながら、品質を保つという事を主眼に計画していきたいと思います。

 

 

最後に、サラワクの各地で中々上手く実践できず、結果、途中で放棄されたりする理由を、コーヒーの選別の状態に関して、具体的な豆の3つの状態を見せて、問題点を説明し、より、理想的な状態(Chang氏が指さしている部分)になるように、品質による選別をきっちり行えば、良い品質のものと、そうでないもの模、それぞれの料金で買取されますが、その品質が適確にされていない場合は、良い品質のものの単価が下がってしまい、全体的な値段も下がるので、この部分は、徹底するべき作業のポイントとして、説明してくれました。まさにその通りで、何事も、準備やその段階ごとに1つづきちんとやれば、あとでの修正のその作業や時間も効率的なりますし、理解をした上で計画をすることの重要性が、このコーヒー栽培のプロジェクトで、示されて、私たちも再認識をしましたし、村人も何かを感じ取ってもらえたことと思います。 

 

最後に集合写真です。今回参加してくれた10名が、まずは、コーヒー栽培のメリットを多くの他の村人に伝えてくれることを期待します。

 

 

 

2020年 経団連自然環保護基金 コーヒー生産者組合構築プロジェクト 講習会

期間:2021年320

場所:サバル・クルイン村

責任者: Mr. Chang Jong Yiaw

NPO担当:鍋嶋 / Alex Then Yin Siong  

Sabal Kruing Baru 村 / Sabal Kruing Tengah村 / Sabal Kruing Lama  村 / Sabal Apeng 村

Mr. Ekin Empati (対象家族1代表者)/ Mr. Ragai Maju (対象家族2代表者)/ Mr.Bagon Bundan (対象家族4代表者)

Mr. Subong Buyong(対象家族5代表者) / Mr. Rain Duyoh / Mr. Mangga Berita / Mr. Laidan Edin

Mr. Ali Anggo / Mr. Kinta Mulu / Mr. Dingin Bundan

 

 

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