ご報告
2020年度 経団連自然保護基金 プロジェクト
コーヒー生産者組合構築
2022年1月16日~1月18日
サラワク州内のコーヒー生産地のLong Lellang村への研修視察
2020年度の予定項目のLong Lellang村への研修視察は、新型コロナ感染の影響による行動制限令のため延期しておりましたが、2021年12月頃に感染者数が抑えられて、行動制限令の緩和措置の最終段階になり、参加者や受け入れ側も全員ブースター接種済みという事で、実施にこぎつける事が出来、2022年1月16~18日の3日間で、2020年度(2年目)の全項目を達成できました。
村落部としてコーヒー栽培を継続して、評価の高いLONG LELLANG村(サラワク州北部)コーヒー農園栽培のイロハから、苗木作りのポイント、自家焙煎やドリップ、収穫、製法まで、コーヒー栽培と精製の一部始終をくまなく、SABAL村の村人代表に体験してもらいました。
2022年
前日にSABAL村よりクチンに入ってもらい、早朝、クチン空港出発後、写真は、経由地のミリ空港の様子。
僻地への視察という事もあり、朝から、村人よりCHANG氏への質問が止まりません。
ただ、ロング・ララン空港への着陸体制に入ると、林道なども少なくなり、巨木が覆いつくす原生林の一部を目にすることが出来、少し安心。
ただ、これも20年前位までは、ミリ空港を飛び立つと共に、全面の原生林だったことを考えると残念。
しかし、それの原生林も開発の兆しが所々に目に入り、心配の種は尽きません。
ロング・ララン空港に到着です。村へは、空港の滑走路を徒歩でつっきぬけて移動します。
乗ってきた飛行機が、空港を離陸するまでは、横断できませんでしたが(約20分の待機)。。。。今日は、もう飛行機はありません。
Long Lellang村へ移動。今回、指導をしてくれるFRANCISさんのお宅へ向かいます。
今回、この村で、20年近くコーヒー栽培をしているFRANCISさんとご対面。FRANCISさんは、ケラビット人、SABALは、イバン人です。
それぞれの特徴があり、文化や食などのギャップが、傍で聞いてて、面白かったです。
これだけは、ギャップはありませんでした。果物の王様「ドリアン」。
ただ、これを食べて、農園での作業に力をつけましょうという、ケラビット人の考え方と、
今ドリアンを食べると、作業中体が火照り暑くなるので遠慮するイバン人の考え方の違いをよそに、中華系のCHANG氏は満喫されました。
まずは、腹ごしらえですが、森で採れたショウガの花を炒めたものや山菜を、現地で栽培したご飯の昼食でした。
FRANCISさんが、精製したコーヒーの生豆です。既に出荷できる状態になっており、左がリベリカ種、右がロブスタ種です。
これを少し分けてもらい、農園に持っていき、夜のプログラムに使います(その内容は後述)。
CHANG氏より、品質の良さや着眼点を教えてもらいます。この後、SABAL村でこの生豆精製プロセスを実体験しないといけませんので、皆真剣です。
常時、ドリアンの残骸がテーブルにあるのはご了承ください。
こちらは、フランシスさんが、自家焙煎をしたコーヒー豆です。機械はありませんので、手動で焙煎しますが、その方法は後述。
コーヒー農園へ移動ですが、ボートに乗って移動しますが、操縦者や船頭さんを含めますと、総勢14名で4台のボートで移動しました。
筆者もボルネオ滞在長いですが、このエンジンは初めて見ました。約1時間のジャングル・クルーズです。
SABAL村近辺は残念ながら、この規模の川がなく、今では、村が道に沿ってあるのですが、その昔40年前位は、ボート移動も普通だったようで、
SABAL村の皆さんも懐かしがっていました。なお、FRANCISさん以外のボートの操縦者や船頭さんは、この地域に住む別の民族プナン人でしたので、3つの民族が一挙に集合で、非常に興味深い局面が何度も出てきました。、
FRANCISさんのコーヒー農園に到着しました。荷物を置いたらすぐに、全員で農園に出て、指導をうけました。
FRANCISさんは、20年近くこの場所で、コーヒー農園を営んでおりますが、農園の維持や収穫などは、近隣に住むプナン人を雇っていました。
その第一世代が、その賃金で生活が安定すると、その子供たちへの十分な教育を受けさせることが出来るようになり、その子供たちは、村を出て、
都市部で働くようになり、このような農園に目を向ける人が少なくなってしまい、維持や収穫が100%出来ない状態になっているとの事でした。
栽培や収穫を縮小して、品質維持を心掛ける方針に転向せざるを得ない状況だとの事です。
本人や一部の村人で、少しづつ手入れし、収穫も少しづつして維持をしているとの事でした。
どうしても僻地にあるので、生豆の運搬に費用が掛かるのですが、政府の支援で、航空貨物の運送費は、援助が出て賄えているとの事でした。
コーヒーの果実の収穫は、年中いつでも可能ですので、数日に1回農園を見回りながら、熟した実を集め、
それと同時に、木に引っかかっている枯葉や地面の落葉、熟しすぎた果実を排除したりして、維持していけば、
農園が1000本位あれば、毎日10kgの収穫は見込めるとの事で、品質が良い状態のものを選別さえしっかりすれば、
アブラヤシ等の収穫に比べると(1個50kgほど)で、時間と労力が必要となるので、
結果として、年配の方でも出来る軽い作業で、条件さえ整えば、他の農作物より収入が良くなるものであるとの事でした。
この視察地は、海抜740mの場所で、比較的涼しい場所で、最低温度が18度とリベリカ種に最適な場所であるとの事ですが、
サバル地域は、海抜80m位の場所ですので、最低温度がそこまでは下がらない短所欠点があるのですが、山脈の麓ですので、多少は、適した条件に近づけると思いますが、樹木の葉の茂らせ方などで対応は可能であるとの事でした。
品質の良い珈琲になりうるかどうかの目安は、その果実の実の部分(種がコーヒーになります)をかじってみると、その果樹1本1本の状況を判断できるということで、実際に、FRANCISさんが選んだものを、サバル村の人にかじってもらいました。甘みが多いのは、精製後の豆になっても風味があるものになるそうですし、実が酸味の方が強い場合は、コーヒー豆もその影響を受けるようです。
木の高さは、収穫をするのに適した高さを保つ必要があるので、各人の農園の果樹は、自分自身がある程度届く所までくれば、トリミングしていく必要があるとの事。
但し、横幅は、ロング・ララン村は、温度が低いので、横へ広がらないようにする必要がありますが、サバル村は気温が高いので、
逆に、横に広げて、コーヒーの実が葉っぱに覆いかぶされるようにするのがより良い品質の為には良いとの事でしたので、今後の維持の際に反映していく予定です。
また、幹分かれをしやすい傾向にあるので、品質を保つためには、主な幹だけを残し、分岐した幹は、どんどん外していった方が良いとの事で、実際に、分かれた幹を外すのを見せてもらいました。
さらに、木の下に溜まる落葉の枯葉も、定期的に除去し、コンポスト肥料として再利用するか、分量によっては、乾燥後焼却して堆肥にするようにすることで、病害虫対策にもなり、ひいては、コーヒーの果実の品質維持にもより良い影響を与えます。
リベリカ種のたわわになった果樹と、その花。SABAL村の農園でも、まずは、花が咲いてもらいたいものです。
こちらは、アラビカ種の樹木です。アラビカ種も植えてますが、かなり条件が厳しいようです。
ロブスタ種も植えてますが、この場所でも、十分な品質を保つものが育ってくれるようです。
ただ、コーヒー豆の粒が小さいので、重量的な部分で沢山の収穫を必要としないといけない事と、市場に流通している事で、単価が低い為、
リベリカ種は、その特性を上手く活かして、高品質を維持できれば、サラワクでは、採算性が優れているとの事でした。
こちらは、苗木ポットを作る時の注意事項として、最初の時の豆(種)の置き方などを教えてもらいました。
その後、根が張る際に、最初は、小さな根っこは排除することが出来れば排除した方が良いとの事でした。
こちらは、植えて2年目のリベリカ種。木の高さは、SABAL村のものより低いものもあるくらいでしたが、
何と花が咲いて、実を成らしているのもありましたので、敬服です。
夕食後は、自家焙煎の時間です。FRANCISさん宅より分けて頂いた生豆を自家焙煎します。
手網を2個合わせて、焙煎します。SABAL村の人は、焙煎=フライパンと思っていたようで、驚いていました。
まずは、リベリカ種の生豆を適量いれて、同じ大きさの手網で挟み込みます。
今回は、カセットコンロで、焙煎しますが、適度の熱量、高さ、ふるいを上手くやっていきます。
火の粉がでますが、これは、コーヒーの豆が焼けているとの事でした。
パチパチと破裂音がするのですが、ほとんどの豆が1巡目を終わらせると、音がしなくなり、その次に音がしだす時が出来上がりのタイミングだそうですが、その2巡目のタイミングが深煎りの度合いを決める重要な過程です。コーヒーの香りが台所に充満します。
実際は、言葉ではお伝え出来るような簡単な話ではありませんでした。匂いや色味も影響します。
右手が、CHANG氏が、手動自家焙煎したコーヒーです。
さて、次に、SABAL村を代表してRAGAI氏が挑戦、何度か挑戦した後の、最後の挑戦のコーヒー豆です。
写真では伝わらないですが、薫りや色味、色味のバラツキなどが多少ありますが、是非、SABAL村での精製後に再挑戦してもらいましょう。
この焙煎豆は、一晩寝かせた方が良いので、翌朝試飲です。
2022年
早朝、標高が740mありますので、寒いくらいですが、コーヒー栽培としては、ここの最低温度が18度ですので、非常に適した栽培場所になります。
プロジェクトのサバル地区は、標高80mあり、その適温まで下がらないのですが、その対応策も、葉の茂らせ方などでできるようです。
ただ、CHANG氏曰く、サラワク州南部のもっと低地の気温の低くない地域のリベリカ種のコーヒーの方が、ここよりも美味しいものもあるそうですので、一概には言えないようです。
昨晩、焙煎したコーヒーを挽いて、試飲します。まずは、プロが焙煎した基準のコーヒーの試飲という事で、CHANG氏焙煎のコーヒーを挽きます。
こちらが、挽いたコーヒー豆です。粒ぞろいも安定して、ムラのない状態ですね。挽く時に薫りが充満します。
Sandraさんが、コーヒーをドリップで炒れます。一気にコーヒーの香りに包まれます。
試飲です。苦みも強すぎず、酸味も程よく、甘みも少し感じます。リベリカ種は、特徴的な珈琲ですが、それぞれの味が調和して、味合い深いコーヒーです。さすがプロですね。当たり前です。
さて、次はSABAL村代表のRAGAI氏、自分の焙煎したコーヒーの中で、一番良い結果のものを自分で挽きました。
それでも、色味などにばらつきがあり、CHANG氏のものとは明らかに違いますが、初めての体験としては、良い出来だとの事。
コーヒーの生豆を焙煎は、フライパンを使い、バターを入れて炒ったりする経験しかありませんので、今回の手法は良い経験となったようでした。
RAGAI氏も開眼したと言ってましたし、これから栽培や精製する自分たちのコーヒーがどうあるべきかを明確に理解できたと言っておりました。
さて、ドリップも初挑戦。若干、手が震えてましたが、口細のコーヒー用のポットから、適正温度の95度位の状態で、淹れてみました。
多少の薫りもありましたし、ふわっと広がる様子は、SANDRAさんに引けを取りません。
ただ、味は、苦みが強すぎ、酸味も引き立ちすぎて、甘みがほとんどないコーヒーで、なぜか、皆、炒り過ぎたピーナッツの味がすると言ってました。
コーヒー豆も種子ですから、ピーナッツのようなものですね。中々難しいです。
CHANG氏から、高品質なコーヒーとは、栽培の豆の成長、精製の的確さ、その際の水分含有量(13%が最良と言われてますが、湿潤なボルネオでは、頑張っても18%位だそうです)、そして焙煎、すべての要素が整って、初めて、良質な高品質なコーヒーとなりうるとの話に一気に、ハードルが上がり、SABAL村の人々が困惑の表情を隠せませんでした。
一方で、飲む方の嗜好性も多様性であり、中には、RAGAI氏焙煎のようなコーヒーが好きな方もあり、そういった特別な注文もあるようです。
まずは、それぞれの過程で最低限の条件をクリアー出来てれば、十分に対応は出来るとの事ですので、まずは、SABAL村での農園の収穫後のプロセスを経て、生豆の状態になって、焙煎を試してみて、その素材を生かす最善の糸口を探す必要があります。
さて、当初の予定では、SABAL村の農園で、自分たちが植えた樹々のコーヒーチェリーを栽培して、それを生豆精製の予定でしたが、残念ながら、年度内に収穫が見込めそうにありませんので、ここLONG LELLANG村での収穫作業の視察・研修時に、生豆精製の行程の体験用のコーヒーチェリーを収穫します。
同村のFRANCIS氏の収穫は、麻袋から作ったお手製のバックです。この位の分量(5-6㎏)であれば、体への負担も少ないので、長年の経験によるもののようです。
早速、収穫です。この袋が全員分無いので、丁度良い大きさの籐製の小さな籠も使います。
まずは、CHANG氏から、収穫可能な熟したチェリーの選別の仕方を学びます。
木の枝に引っかかった、落ち葉や枯葉なども、収穫しながら、取り除いていきます。
これを疎かににすると、病害虫の原因となり、最終的には、コーヒーの味にも影響が出てきます。
一つの房に赤、オレンジ、緑と、沢山なっていますので、年中いつでも収穫できるのを目の当たりにして、SABAL村の人も期待を膨らませます。
左の写真は、引っかかった落葉。定期的に、必ず、取り除かなければなりません。
右側の写真は、黒い、熟し過ぎたチェリーもありますが、それも必ず除外しないといけません。
NYANDANG氏も黙々と収穫しています。赤い熟した実だけを収穫しますが、これから先に収穫できるチェリーも数えきれないほどあります。
少し早めの昼食です。左の写真は、白米をヤシの葉で包んだご飯です。
ただ、このスタイルは、イバン人はやらないのですが、クチン近郊では、ビダユ人が作ります。
しかし、ビダユ人のご飯は、普通のご飯ですが、ケラビット人のこれは、蒸した感じになっており、柔らかく、興味深いです。
おかずは、キャッサバ(タピオカ)の葉を潰して炒めたもの、山菜のぬるぬるした茎(名前不詳)、サラワク州で2番目に高級なコイ科の魚をカリカリに揚げたもの。
この高級魚は、最高級のEMPLAUに次ぐ、高価な魚として、都市部では、崇められているSEMAHという現地名の魚です。
通常は、蒸し魚として食べますが、カリカリに挙げられているものの、その風味は、独特の美味でした。
昼食後も引き続き、収穫です。CHANG氏やFRANCIS氏の指導の元、収穫しながら、過熟の実や枯葉なども取り除いていきます。
IKIN氏も、BAGONG氏も手を休めません。本来は、早朝の作業がよさそうですね、正午前後は、日差しが強く、体力を消耗します。
RAGAI氏は、より真剣に観察しながら、良質なチェリーだけを選んで丁寧に収穫してくれました。
焙煎やドリップを自ら体験し、コーヒーに対する意識の変化があったようです。
今回、4名で収穫したコーヒーチェリーで、この量を2回収穫しました。
1回当たりに運ぶ量も、そんなに重くなく、容易な作業で、歳を取っても、全然負担の少ない作業だとの事でした。
比較で言うと、作物によっては、1個50㎏位のものもありますので、確かに、収入的には良いですが、それを何個も運ぶ事を考えると、
散歩がてらに出来る感覚は、身近な存在になりつつあるようです。
麻袋に入れて、重量を確認。1回当たり計20kg強で、2回で、計40㎏強でしたので、SABAL村に持ち帰り、生豆精製と一部新しい苗木も作成する予定です。
さて、LONG LELLANG村の精製過程を学びます。SABAL村では、乾燥製法用の設備は準備済みで、そのプロセスも理解できていますので、
別の製法のハニー製法の第一段階を体験してもらいました。
まずは、洗浄と選別です。これは、乾燥製法も同じ作業をしないといけません。
単純に水に浮くチェリーを取り除くだけの作業です。浮くチェリーは、良くない実ですので、排除します。
次は、果肉除去の作業です。機械に入れて、手動で回していきますが、グルグル360度回転させるのではなく、
180度くらいを右左へと回します。この時に豆がつぶれてしまう事もあるので、丁寧にリズミカルにやさしく回さないといけません。
果肉除去機より出てきたコーヒー豆と、果肉の部分です。粒揃いも良く、良質なコーヒー豆になる事でしょう。
その後、そのまま、果肉も豆も、一緒に乾燥させますが、乾燥製法との違いは、ハニー製法は、最初の数日は、あまり日に当て過ぎない方が良いようです。
乾燥製法は、果肉を除去せず、果肉のまま、乾燥させて、カチカチになるまで、乾燥させます。発酵促進のためだそうです。
ハニー製法の乾燥期間は、2~3週間と同じですが、この長さは、天候次第ですが、ここは、熱帯雨林で、さらに、11~2月は雨期になりますので、より長い時間が掛かるようです。
LONG LELLANG村のコーヒー農園の風景。SABAL村の農園も早くこの位になってほしいです。期待しています。
こちらは、農園の端に植えられていたランブータンの野生種、栽培物のランブータンと異なり、毛が固いのが特徴で、甘みもより多いです。
それ以外にも、サラワクのオリーブと呼ばれているダバイもあり、たわわに実をならせていましたが、これは、サラワク州中部の人が主に栽培食しており、SABAL村でも最近栽培するようになった、比較的高価な果物ですが、FRANCIS氏は、豊作でも食べ方を知らないとの事で、
NYANDANGさんが木に登って、収穫して、いろんな食べ方を料理してあげて、FRANCISさん家族も楽しんでいました。
ただ、写真を取るのを失念しましたが、体には良いようですが、そんなに美味しいものでもないです。
コーヒーの白い花、そして、たわわになって熟したコーヒーチェリー、その姿をSABAL村の農園で近い内に見れることを心待ちにしています。
農園から、FRANCIS氏の家へ出発する前に、全員で、集合写真。
左の写真は、水路の川と原生林をバックに、右の写真は、一夜を過ごしたコーヒー農園の出作り小屋です。
さて、一路、LONG LELLANG村へ戻ります。上流へ向かいますので、少し余計に時間がかかります。
2022年
正午前後の飛行機ですので、午前中は、原生林へ視察に行きました。この地域は、LONG LELLANG飛行場を中心に、その両脇や周辺に、ケラビット人の村とプナン人の村が点在し、その周辺は、陸稲や水稲の農作地、各個人のコーヒー農園それを囲むように、手付かずの熱帯雨林の原生林が広がります。
エコ・ツーリズムの可能性を秘めている場所で、その原生林の中で、村人が中心となり、ジャングル・キャンプを有します。
まだ、訪れる人も限られますが、SABAL村も同様の原生林をインドネシアとの国境にかけての山脈へ広がりますので、2022年度からの3年間の計画として、SABAL村へエコ・ツーリズムを展開させるべく、動植物の生態調査やトレッキング道や展望台の設営を計画しており、その参考となるかと思い、見学させてもらいました。
飛行場から、2分歩くと、このような森です。
こちらは、ジャングル・キャンプの一画。新型コロナの行動制限の中、約2年間、村人以外誰も訪れていないので、若干朽ち果てているものもありましたが、森の中で1泊するのは、自然愛好家や学生にとっては、貴重な体験が出来る施設です。
このような施設を、SABAL村の近隣の原生林の一画に設置できれば、近隣の都市部の現地の人も気軽に訪れる事が出来、環境教育の重要な場所になり、それに伴い海外からの旅行者にとっても、非常に興味深い場所になる事間違いなしです。
SABAL村の村人も、自分たちの森と照らし合わせて、いろんな質問が飛び交ってました。
あっという間の3日間。LONG LELLANG村を後にします。SABAL村ではもう見かけない、伝統家屋の高床式のロングハウス。
SABAL村人4名、士気高らかと、自分たちのコーヒー農園の成功を胸に秘め、再開を約束し、別れを告げました。
LONG LELLANG空港では、1日に1便しかないので、休憩時間には、感染対策のボランティアの方が、その隙間時間を使って、生豆の選別をしておりました。
このような一つ一つの丁寧な作業が、より美味しいコーヒーに繋がり、村人にとっても、より良い未来に繋がるのかもしれません。
また、そのような姿を、村のあちこちの一コマを目にしたSABAL村の4名のコーヒー栽培や精製に意欲に繋がったと思います。
2020年 経団連自然環保護基金 コーヒー生産者組合構築プロジェクト LONG LELLANG村への視察
期間:2022年1月16日~18日(2020年度の計画内容でしたが、コロナの影響で延期)
場所:Long Lellang 村
責任者: Mr. Chang Jong Yiaw / Ms. Sandra Wong
指導者(Long Lellang村): Mr Francis Aran / Mdm. Rosna Jok
NPO担当:鍋嶋 / Alex Then Yin Siong
Sabal Kruing 村jからの視察参加者
Mr. Ekin Empati (対象家族1代表者)/ Mr. Ragai Maju (対象家族2代表者)/ Mr. Nyandang Wednesday (対象家族3代表者)
Mr.Bagon Bundan (対象家族4代表者)
**植林活動をサポート頂ける自治体や団体を広く募集しております。どうぞお気兼ねなくお問合せ下さい。こちらへ>>
**「未来のために1本の木を」は、5000円/1口で、10本を代行で植林いたします。詳しくは、会員募集のページをご覧下さい。
**当団体では、会員や賛助会員を募集しております。詳しくは、会員募集のページをご覧下さい。